Towers

煙突のようなトイレブースを林立させた公園トイレ

一般的に公園のトイレは、目立たないように設計されがちだが、塔状のトイレは遠くからでも見つけやすく、目立つことで安全性も高まる。内部は文字通り煙突効果による自然換気によって、臭気や湿気は遥か上空へと放出され、清潔な環境を保ちやすい。屋根は透明強化ガラスとし、日中は自然光で明るく、快適な環境を実現する。内部の壁は頭上からステンレス鏡面仕上とし、見上げると、空を映しこんだ万華鏡のような風景が広がる。その風景は、晴れの日だけではなく、雲や雨、夕焼け、星空など、空の状態によって刻一刻と変化する。訪れた人に「また来て見たい」と思わせる、心に残る体験ができるトイレブースである。
トイレブースと同様に、洗面ブース、小便器ブース、多目的ブース、掃除用具ブースなど、機能に応じた三角形や四角形平面と高さを持つブースが、高低差2mの緩やかな傾斜地に分散配置される。製鉄所の煙突群、あるいは木立や縮小された街の中を散策しているようなトイレを目指した。
 
2010年 北九州市公園トイレ設計競技 応募案