ヘヤとニワのイエ

切妻の家の四方から外部を押し込んでヘヤとニワをつくる

まるで卵みたいに、家がパカッと割れたような建物のカタチを考えた。ヘヤとヘヤの間に、ニワが入り込む。それぞれのニワには、木々や草花、ハーブや野菜などを植え、ウッドデッキを敷いてみる。ヘヤと同じように、ニワの数を増やす。建物は小さめでも、ニワを積極的に生活空間に取り込むことで、開放的で豊かなイエになる。
ニワは建物に直射日光を届ける。ニワに面したガラスが光の反射を繰り返して1階まで明るくする。ヘヤは、あちこちから光が差込むので、北側のヘヤでも明るい。窓の向こうには、緑が見えて、その先に家族がいる風景が広がる。
水回り以外の各ヘヤは、ソファやテーブルやベッドやタンス、ハンガーラックやバイクなど、いろいろなモノが置かれることで、そのヘヤの名前が決まる。とりあえずリビングと名づけたヘヤにベッドと収納を置けば、寝室にもなる。コドモが小さいときは、そのほうが便利かもしれない。家族は常に変わってゆくのだから、どのヘヤも、なるべく自由に使えるようにしたい。
 
2010年 リビングデザインセンターOZONE 公開コンペ入賞