高輪の集合住宅

外壁と屋根を屏風のように折り曲げた集合住宅

都心に建つ賃貸9世帯とオーナー住戸から成る賃貸併用住宅。オーナーからは、地域のランドマークになることが求められた。敷地は高台の折れ曲がる道の角地にあり、不整形である。一方、周囲の環境に目を移すと、曲がった道路沿いに遠くまで眺望が抜けていたり、隣の大きな木が美しかったり、隣家の窓がこちらを向いていたりと、多様な風景が展開していることに気づく。そのような周囲との関係を、積極的に建築に取り込もうとした結果、外壁と屋根は屏風のように折れ曲がり、開口部(エントランス・窓・バルコニー)にはゆらぎが生まれた。それらの作用により、賃貸住戸の住環境は多様化され、最上階のオーナー住戸は空中の一戸建てのような環境が得られた。同時に、外壁の隅切りや屋根の勾配が隣地に光を届け、外壁の凹みが奥行きのある緑地帯を生みだした。敷地内で完結するのではなく、周囲との関係性の結果として、その場所に定着する佇まい=ランドマークになると考えた。

竣工

2015年

主要用途

オーナー住戸・共同住宅8戸・長屋1戸

設計監理

倉本剛建築設計事務所

構造 百田構造設計

設備 空間設備コンサルタント

構造

鉄筋コンクリート造 壁式構造

規模

地下1階・地上3階

敷地面積

330.59m2

建築面積

227.36m2

延床面積

824.98m2

撮影

上田宏

吉田誠(入居後)

掲載

日経アーキテクチュア2017年4月13日号

受賞

グッドデザイン賞2018